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【ブログ】入試対策にもやっぱり多読
大学共通テスト(英語)を早速チェック。
今まで一番難しいテストとなったそうですが、文章自体はいたって平易。英語ネイティブ2年生くらいの難易度です。ただ量が増えたのと、英語能力というより情報処理能力が問われている感があり、時間が足りなかったという感想が多いのも頷けます。返り読み訓練ばかりしているとdecoding (解読)はできても, リーディング力は伸びません。
5年10年の長期的なトレンドでは、大学共通テスト英語は今より簡単になることはまず無く、更に分量が多く、スキミング力、語彙力事務処理力が必要の問題になり、10年後には就活でTOEICは用済みになり就活で共通テスト英語のスコアを提出する時代が来るかもしれません。実際、来年度からのテストは更に難化し、単語の難易度も読むスピードも格段に上がるので、多読を始めるのなら早い方がいいです。英語を英語で処理できる英語脳が訓練されると同時に、受験対策にも直結します。現に多読に取り組んでいる小学生に今回のテスト問題を読ませてみたら、頭から文を読み、問題も難なく答えていました。
入試試験における今後の対策としては、試験問題を時間内に解くためのテクニックを養うことに重点を置かれるような気がします。本来は言葉を勉強するのであって、試験問題を時間内に解くためのテクニックを養うことではないはずです。英語がますます受験の為の英語になってしまうのではないかと危惧しています。大量の問題数をこなす事ができても、使える英語がみにつくかは疑問です。テクニックばかりで練習する時間が圧倒的に少ない、そんな感じもします。スポーツだって音楽だって、論理ばかりで実際に体を動かして練習しなければ身につきません。英語も同じです。
基本から実践と幅広く網羅している多読。音や文法などまったく違う言語である英語を学ぶ日本人にとって、まずは英語を英語で処理できる脳にするための矯正作業が必要です。その作業に圧倒的な力を発揮するのが多読です。多読はいつからでも取り組めますが、小学生から始める事をお勧めします。小学6年生までに、今回の共通テストレベルの文が読めるようになることが理想ですね。中学や高校になると、テスト勉強や部活で本当に忙しくなり、多読のように結果がすぐに表れない学習法は、どうしても優先順位が低くなってしまうのです。中学生になるまでに読む習慣をつけていれば、毎日10分~15分の取り組みを継続する事が苦でなくなります(面倒くさいと思うかもしれませんが、淡々と取り組む事が大切です)。毎日10分~15分の取り組みが、結局は効率的・効果的に英語力アップに繋がります。試験を前提とした読解(decoding)テクニックを学ぶのも決して悪くはありませんが、それらに費やす時間と労力を、読む(reading)ための練習に使う事ができれば、試験対策に繋がるとともに、使える英語がみにつきます。
今回の共通テストを見て、ますます多読の重要性を実感しています。まずはアルファベット、次にフォニックス、そして基本的なサイトワードと進めていき、多読へ繋いでいきましょう。3~4年生から始めてみるのがベストとは思いますが、個々のお子さんの文字認識にあわせて始めるタイミングを検討してみて下さい。長文を早く正確に読めるようになるのに必要なのは、テクニックではなく練習です。時間をテコにできれば、無理なく練習を積む事ができます。
多読の説明会を1月31日(水)に予定しています。
興味のある方は気軽にお問合せ下さい。
【ブログ更新】中学生からの英語は塾?それとも英会話?
中学生になると、塾や部活動そして定期テストの準備等でますます忙しくなります。「英会話」を継続するかどう悩める時期だと思います。「塾や学校の英語」と「英会話の英語」何が違うのかということ明確にすることで、選択肢がみえてくるかと思います。子供達にとっては限られ時間、学校以外の活動の優先順位を考える事はとても大切な事だと思います。
塾や学校の英語がテストのための英語に対し、我々どもが提供したい英語は「使えるための英語」であると思っています。使えるようになるためにはもちろん文法は必須です。
母語能力が一定の完成を見る中学生くらいの時期に、文法等のロジカルな学習がとても有効になります。小さい頃から英語の音を中心に学んできた子供達にとっては、「散らかった英語脳」を整理する事で、爆発的に英語の実力が伸びる時期です。また、中学生以降から英語を始める場合には、文法学習を通して学びの時間を圧縮できるというメリットがあります。年齢が上がれば上がる程、文法学習から入る方が効率がよいのです。ただし、テストで得点をとるために必要な文法知識と、実際に英語を使う時に役立つ文法知識は違います。
当教室の中学生クラスは、会話に繋がる文法学習を指導しており、学んだ事をドリルを通して実践し、発話へと繋げていくようサポートさせていただいております。学校や塾ではテストが前提になるので、どうしても入試や定期テストで重視されない会話やリスニング、そして発音等は軽視されがちのように思います。実践に繋がるための練習量が圧倒的に不足しているので、中学生になり「英会話」やめたとたん、話せなくなった、発音が悪くなった、聴き取れなくなった、というコメントをいただくことは珍しくありません。
また、頭の柔らかい中学3年間の間、日本語ががっつりの「翻訳英語脳」が鍛えられてしまうと、そこから英語を英語で処理出来る「英語脳」に軌道修正するのは本当に大変で時間がかかります。その上、カタカナ英語がしみついてしまうと、通じない・聞き取れない・単語が書けない、だから英語が嫌になる、という悪循環に陥ってしまうケースが本当に多いのです。
本来、文法はスピーキングとペアで学ぶべきもの。話せれば聞け、書くことも楽になります。読みも直読・直解ができ、遅い読解を避けることが出来るようになります。塾や学校ではカバーしきれない発話やリスニング、発音などを文法ベースで学習することで、使える英語の習得を目指すと同時に、「使える英語」はテストのスコアにも繋がっていきます。
当教室の中学生クラスは日本人講師が担当しています。限られた時間の中で効率的に英語学習をすすめるためには、日本語で英語の文法をちゃんと理解する事が大切です。英語は日本語と非常に異なった言語なので、理解が曖昧だと、いくら練習しても忘れやすく、応用が効きにくく、習得が遅くなり難くなります。ですので、まずはちゃんと理解し、何度も「発話する・聴く」という練習を繰り返す事で定着を目指します。
同じ英語なのに目指す方向が違う、矛盾を感じはしますが、日本の教育システムが急に変わるという事はないので、何が違うのかという事を認識することで、限りある時間を有効に使えるようになるかと思います。高学年や中学以降の英語への取り組みについて悩んでいる方にとって、参考になれば幸いです。
アークアカデミー通信12月号
英語学習者にはこの時期、クリスマスソングのカラオケがお勧めです!流行りものではなく、往年の名曲をぜひ練習してみて下さい。歌詞を通してmistletoeやyuletideのクリスマス関連語はもちろん、yonderやyeなどの古語表現も学べ、キリスト教への理解も少し深まると思います。なにより街で耳にする曲を英語で口ずさめるのは地味に楽しい。
“O Come, All Ye Faithful”
“Hark! The Herald Angels Sing”
等、古い英語だけれど美しい単語やフレーズが散りばめられています。古語って多分、音やリズムの美しさを大切にしたのではないかなと思うのですが、意味が分からなくても響きを楽しむ事ができます。
本気で勉強をしたいと思うのなら、英語のバックボーンともいえるシェイクスピアや聖書等にもぜひ挑戦して欲しいと思います。映画やドラマも、こうした古典からの引用は本当に多いんです。英語圏の学校ではシェイクスピアはみんな普通に読む(読まされる)し、有名なフレーズは新聞・雑誌等いろんなところでたびたび引用されるので、「教養」「インテリ」というより、もはや現代英語の一部。言うなれば、日本人にとっての四字熟語や諺に近いようにも思います。
パーティでのなにげない会話の中で、友達がサラッとシェイクスピアを引用し、私はその場では笑うが実は文脈がわかっておらず、後からこっそり調べてみたら「あれシェイクスピアだったんだ…」と落ち込んでしまう時はよくありました(笑)。我が家の子供達でさえ、「国破れて山河在りやな~」と、しれっとのたまう事があるのですが、こんな感じで、英語の古典は小学生でも引用するほど、文化に根付いているのです。
英語を学ぶ事は、その背後にある文化も一緒に学ぶこと。今年のクリスマスは英語も文化もまるごと楽しんでみてください!
アークアカデミー通信12月号ができております。
下記のアイコンをクリックし、ダウンロードをしてご覧ください。
【ブログ】「本気の英語」には多読(多聴)がお勧め
英語を外国語として学ぶ日本人の子供達に、絶大な効果を発揮するのが英語の多読(多聴)です。自分自身の経験や、今まで指導させていただいた生徒さんの実績をふまえても、本気で英語を身につけたい人には多読を強くお勧めします。「本気」がいるのは、継続できるかどうかがポイントだからです。本気で継続できさえすれば、英語は何歳からでも、使える英語を習得する事ができます。
多読は最も効果的な学習法の一つであるにも関わらず、日本ではなかなか定着しない理由は以下の三つになるかと思います。
継続できない(結果が可視化できるまで時間がかかる)
多読の読み方、取り組み方が分からない
「たくさんの英語の本」にアクセスするのが難しい
私達が学校で学んできた学習法は「精読」が中心です。精読は一字一字を理解しながら丁寧に読んでいく方法です。一方「多読」は、意味が分かるより、まずスラスラ読む事が重要です。英語のリーディング力を育てる原則は「理解よりも流暢に読めることが先」です。英語を読み始めの子どもに「読むこと」と「理解すること」の二つを要求すると、必ず読書スピードが遅くなります。読書スピードが遅くなるだけではなく、頭の中で日本語に訳す作業が入ってくるため、どうしても翻訳英語になってしまいます。内容の理解は横に置いておき、流暢に読むことに専念する事が大切です。日本語の文字を習い始めた子どもを観察すると、これは一目瞭然です。ほとんどの子どもは文字を「読むこと」に集中しているので、読み終わっても内容をまったく覚えていません。子どもに「内容を考えながら読みなさい」と指示すると、読書スピードがさらに遅くなり、読んだそばから内容を忘れていき、いつまで経っても理解が伴わないという悪循環に陥ってしまうのです。
「精読」の学習法に慣れている私達大人にとって、子供が単語の意味も分からずに読んでいる姿を見ると、不安になってしまうこともあります。ついつい「これどういう意味?」なんて、野暮な質問をしてしまいがちです。多読の目的は、英語を英語で理解する英語脳の養成です。意味を理解し説明できる事が目的ではありません。英語学習は反復練習が大事なのですが、本を読む事で、何度も何度も同じフレーズや語彙に出会いながら、英語がまずイメージとして定着していくのです。このイメージが大切。日本人に一番多い文法上の間違いは冠詞の”a”や“the”の使い方なのですが、これは論理的に頭の中で考えるのではなく、量をこなす事でイメージとしてとらえる事ができるようになります。haveやtakeのような頻繁に出てくる動詞は多くの意味を持つので「多義語」と呼ぶのですが、多義語を学習するときに、訳語をすべて暗記しようとするのは学習効率が悪いです。大切なのはいろいろな用例に触れながら、中心にある「核」のイメージを固めていくことです。haveの中心(核)にある意味は、「取り込んでいる」イメージです。これを中心に文脈ごとに照らし合わせると、自然と訳語は思い浮かぶものです。このイメージは「英語の感覚」と言い換える事が出来ると思います。多読(多聴)によって、この語感が養われていきます。
また多読をすることによって、英語を全体としてとらえることができるようになります。文章中に出てくる単語が分からなくても、全体から意味を推測できる力です。よく日本人にありがちなのが、会話や文章中に知らない単語が出てくると、頭の中が真っ白になり、それ以降の英語が読めない・聞き取れない状態になります。翻訳英語では、英語のスピードについていけないのです。
小学生から英語が教科化され、オーラル中心の英語学習へと移行しています。でも、「喋ろ、喋ろ」と言われても、中身(インプット)がなければ出すものもありません。簡単なフレーズが言えても、会話にはならないのです。初心者の英語学習の比率は、80%がインプット、20%がアウトプットが丁度良い加減。英語の実力が上がるにつれて、この比率を変えていきます。
多読を始める子供にとって重要なのが、どの本を読むか、ということ。 子どもに与える英語の本は「やさしく、短く、楽しい」が原則です。難しすぎる本、長すぎる本、教育的な本を読ませようとすると子どもが逃げていきますので注意してください。
子どもの多読に最適の本は「リーダーズ」です。リーダーズというのは学齢期の子ども、あるいは、英語を第二言語で学ぶ子どもが自学自習で読書力をつけることを目的とした本で、単語や文法の難易度、単語数(ページ数)が徐々に上るようにレベル分けされています。当教室では、多読アプリを提供しております。アメリカの小学生を対象にしたアプリですが、英検準1級~1級の中間くらいのレベルまでカバーしています。3000冊以上の本にいつでもどこでもアクセスできるのは、電子図書館の強みかと思います。
フォニックスとサイトワードの次は、ぜひ多読に挑戦してみましょう!!
第3回 英検実施のお知らせ
アークアカデミーでは、2024年1月14日(日)に英検を実施致します。受験希望者は申込用紙に必要事項を記入の上、受験料と一緒に12月9日(土)までにご提出ください。釣銭がないようお願いします。スペースに限りがありますので、各級定員になり次第締め切りとさせていただきますので、受験希望者はお早めにお申し込み下さい。ただし、受験者が10名以上に満たない場合は、試験を行う事が出来ませんのでご了承ください。一次試験の受験会場はあかしあ台教室になります。お迎えの際は混雑が予想されますので、お車以外でお願いします。
※英検チャレンジキャンペーン中により、第2回のテストの不合格者(4級と5級のみ)は無料で再受験する事ができます。
2023年度 第3回 実用英語技能検定(英検)
【実施日】 2024年1月14日(日)C日程
【場所 】 あかしあ台教室
【持ち物】 当日は名前・住所のほかに、郵便番号、生年月日(平成・昭和等年号)等が必要です。また、HBの鉛筆(シャーペンも可)・消しゴムも準備してください。
【検定料】
受験級 | 準2級 | 3級 | 4級 | 5級 |
検定料金 | 5600円 | 4600円 | 2800円 | 2400円 |
【受験時間】
級 | 着席時間 | テスト開始時間 | 終了時間(目安) |
5級 | 13:30 | 14:00 | 14:50 |
4級 | 9:05 | 9:30 | 10:35 |
3級 | 10:50 | 11:15 | 12:35 |
準2級 | 13:35 | 14:00 | 15:45 |
※一次試験の解答は、1月15日(月)13時以降に英検ウェブサイトで公開されます。また合否結果は2月5日の11時以降に英検ウェブサイトで公開、紙面での成績表は2月13日以降に配布となります。
【2次試験の日程 (準2級と3級、1次試験合格者のみ)】
試験会場、および試験時間は試験日の6日前に受験票にて英検本部よりお知らせがきます。
B日程 |
2月25日(日)
(合否公開日は3月5日、成績必着日3月19日) |
【ブログ更新】英会話教室の英語と塾の英語って何が違うの?
小学生4年生以上になってくると、通塾という選択肢を考慮する生徒さんも多くなります。特に、中学受験を考えているお子さんにとっては塾が大きなウエイトを占めてくる時期かもしれません。高学年というと、最も英語学習に脂がのってくる時期(?)、その時期に退会される生徒さんを見送るのは、なんとも寂しい気持ちにもなります。特に「スピーキング」に関しては、喋らないとあっという間に喋れなくなり、数か月だけでも間が空いてしまうと滑らかに英語が出なくなります。目的に向かって選択を絞っていくのは当然の事なのではあるのですが、あんなに英語が発話できていたのに・・と残念に思う事も少なくありません。
そしてこの時期によく聞かれるのが、「塾の英語と英会話教室の英語はどう違うのですか」という質問です。同じ英語なのにゴールが違う、その違いが何なのかクリアにする事は大事ですよね。
一言で言うと、塾が勉強としての英語であるのに対し、私達が提供したいと考えているのは言語としての英語かなと思っています。
日本人が英語が苦手とされる最大の原因は 【英語を勉強だと思っている】・【資格試験、大学入試をクリアするだけのもの】という点が大きいのではないかなぁと私は感じています。「受験英語が使えない」とよく言われるのも英語が結局勉強で終わってしまっているからではないでしょうか?
具体的には、塾では英語の問題の解き方、点数に繋がる技術を学ぶ事ができます。ただ、どうしても日本語ががっつりと介入してくるので、翻訳英語にならざるを得ない側面はあると思いますし、テストの点に繋がらない「発音」や「スピーキング」に関しては手薄のように思います。リーディングに関しても、「文章を読む」事より「問題の解き方」にフォーカスされているように思います。言語習得のステップとして、Listening → speaking → reading → writing というスパイラル式に言語習得が進んでいくと思うのですが、基礎の基礎であるべきlistening とspeaking に関しては、英語に特化した塾でない限りカバーできていないのが現状のようです。
一方「言語としての英語」の場合は、英語を英語で理解できる「英語脳」を育てる事を目標にしています。小手先のテクニックではなく、まずはたくさん「読む・聴く・話す・書く」環境を、「楽しい」をベースに提供し、英語がわかる!だから楽しい、だから英語が好き、というポジティブな経験を楽しんでもらう事をとても大事にしています。ヒアリングやスピーキングの力がつくと、それらはライティングやリーディングの実力にも反映されてきます。綴りや読み、ヒアリングや発音の土台ともなるフォニックスに力を入れる事ができるのも、英会話教室の強みかと思います。
また、当教室では多読・多聴を鬼のように(笑)勧めているのは、教科としての英語ではなく、言語としての英語を身に着けてほしいからです。当教室でも、小学生で2級や準2級に合格した生徒さんもいらっしゃいますが、それらの生徒さんは例外なく多読・多聴に取り組まれてきました。言語として英語を身に着けている過程(多読・多聴)で、試しに英検を受けてみたら意外に簡単だった、という感想をいただいています。
同じ英語でもゴールが違います。当面のテストや試験のために短期間のうちに結果を出したかったら、塾がもっているノウハウに頼るのも一つの選択肢ですし、結果が出るまでに時間はかかるけれど、試験だけではなく、使える英語に繋げていきたいと考えるなら、私達は精一杯サポートさせていただきたいと思っています。
塾・英会話教室・独学・どれも長短の側面があるので、目的に合わせて、学習スタイルを選択してみてくださいね!
アークアカデミー通信10月号
英語が話せる人が必ず聞かれる質問って皆さんご存じですか?
それはずばり「英語は何から始めればいいですか?」という質問です。本当に良く聞かれます。聞きたい気持ちも分かるし、私もかつて高校の英語の先生に聞いたのを思い出します。その先生は一言「(つべこべ言わずに)やるっきゃないのよ」という訳の分からない答えにモヤモヤした気持ちになりました。
人によっては単語を覚えてとか、文法を学べとか、シャドーイングしてとか、音読して等、それぞれ答えが違います。では、あなたがもし、外国人の方に「日本語は何から始めればいいですか?」と聞かれると何と答えるか想像してみて下さい。多分その答えがあなたにとって、一番ベストな英語の勉強の始め方かと思います。なぜかとうと、人によって勉強方法は違う、勉強のスピードも違う、習い方も覚え方も違うからです。感覚で覚える人もいるし理論で覚える人、そして実践で覚える人もいたりして、本当にいろんな学びのスタイルがあります。
30~40人いる学校のクラスを想定してみて下さい。同じ授業内容にもかかわらず、情報の定着率が生徒によってまったく違ってきます。理論的に説明すれば理解できる子供もいれば、感覚的に情報を吸収する子供もいます。みなさんは経験を通して、自分の学びのスタイルを無意識的に確立しているので、外国人から「日本語は何から始めればいいですか?」と聞かれた場合、あなたにとってベストな勉強法を相手にも提案する傾向にあるのです。
英語はまず基礎(文法・単語)、音、量が大事なのですが、その大原則を意識しながら、いろんな方法論に惑わされることなく、まずは自分の学習スタイルで英語学習を始めてみませんか?応援しています。
アークアカデミー通信10月号ができております。下記のアイコンをクリックし、ダウンロードをしてご覧ください。
【ブログ更新】ワークショップに参加しました
先週末、「英語教育ユニバーサルデザイン研究学会」の代表者でもある村上加代子先生によるワークショップに参加しました。学び多き2時間半でした。
最近、中学英語、しかも1年生で英語に躓いてしまうお子さんが多く、英語嫌いが増えている事に大きな問題意識を感じています。躓きの大きな原因の一つが綴り。音と綴りの関連性を学ばないと暗記に頼るしかありません。暗記が得意なお子さんにとっては、なんとか点数に繋げる事ができても、正しく綴る事が苦手なお子さんにとっては、中学のテストは壊滅的です・・・我が家の長男は、ヒアリング力やスピーキング力は私よりずっと上だし、多読に取り組ませていたため、読みもなんとかできています。でも綴れないのです・・・ローマ字に汚染されているな~と思う事もありましたが、暗記したり覚えたりする事がとても苦手なんです。漢字もひどかった・・(泣)。「たくさんドリルすれば覚えるよ」では無理なんです。中学校はハイブリッドインターで学習する事ができ、なんとか惨事(?)を回避できましたが、普通の中学校に行ったらきっと自信喪失していただろうなと思います。
英語は実はとても複雑な言語です。日本語(ひらがな・かたかな)のように字と音が一致しないので、規則性を学ばなければ正しく発音できません(といっても規則性からはみ出した単語や文法もたくさんあります)。英語圏では、幼稚園から4年生くらいまで、みっちりとこの規則性や読み方・書き方を学びます。約6年かけて綴りや発音のルールを学び、その後に長文読解といったような高度な技術に移行していきます。一方日本では、この音と綴りのルール、英語を学習するうえでの基本の基本が、ぽっかり抜けたまま、中学でいきなり複雑な単語の綴りや、英語の文章を「正しく書く」事が求められています。泳ぎ方をちゃんと習得しないまま海に投げ出される、そんなイメージです。読み書きができないので、その後の文法や英文読解に繋げていくことが非常に難しいのです。
今回の村上先生のワークショップでは、英語授業での躓きとその背景、音韻認識やディコーディングの指導法などを、様々な研究結果や村上先生の実践経験をもとに講義していただきました。暗記中心の学習ではなく、単語を読むための前提条件となる「音」や「文字」について学び、文字の音声化ルールを適応することができれば躓きを回避することができることを改めて確信しました。
英語が使えるって本当に楽しいんです!!世界への扉を開くと同時に、新たな自分の可能性や気づいていなかった特性を発見したり、固定観念から解放されたりと英語がもたらす恩恵を挙げだしたらきりがありません。そうした可能性を潰してはいけないし、語学学習の黄金期といわれる中学生3年間が実りあるものとなるよう、具体的に応援したいと心新たにさせられました。
【ブログ更新】学校英語って効率が悪い?
アークアカデミー通信9月号でも触れたのですが、23年度の全国学力テストの結果、中学英語の「話す」の正解率が12%というニュースに衝撃を受けた英語教育関係者は多いのではないでしょうか?小学校の4年間と中学での英語を合わせて6年以上も「スピーキング重視」の教育を受けたにも関わらず、結果が伴わなかった事実を重く受け止める必要があるし、子供にとっては貴重な時間、どこかに無駄がなかったのか真剣に検証する必要があると思います。
英語がなかなか身につかない理由の一つは、英語と日本語はまったく違う言語であるというのも大きな理由かと思います。発音、文法、スペリング、そして文化的な背景も全く異なる言語です。でもそれ以上に「学び方の効率が悪い」というのが最大の理由かと思います。
「スピーキング重視」といっても、大学共通テストにおいてスピーキングは25年度も導入は無理。中・高は大学入試試験が目的となっているので、テストに出ない課題には極力時間もエネルギーも使いたくないと思うのは当然のことかと思います。本屋さんに溢れるように並べられている中・高生向きの英語の参考書を見ても、スピーキングに特化した参考書はほぼ皆無です。また、スピーキングはインプットしたものをアウトプットするものなので、喋ろ喋ろと言われても、インプット量がないと歯が立ちません。
また、小学校英語と中学校英語への連携がうまくいっていないというのも効率の悪さの一つです。イメージとしては、畑(小学校)で育った苗をいきなりコンクリート(中学校)に移される、そんな感じです。土壌がまったく違います。
一方、英語圏は学者がデータを収集し、最も効率的な方法で言語を身につける手法を体系化し、「標準的な手法」として政府が広めています。特にイギリスは先進国だなと思います。なぜ英米はこの様な手法が発達しているかというと、移民国、植民地を抱えた国として多様な人間がいるため、言語を素早く身に着けさせることが国家運営に最も重要なことの一つであるからです。言葉がわからないとすべての活動に影響が出できます。
また英米は日本のような寺子屋がありませんでした。これはアメリカは植民地であり、イギリスは階級制度が強固な国家であるため、庶民が幅広く言葉を学べる仕組みがありませんでした。したがって中央政府が言語学習法を体系化し、広める必要がありました。その様な背景があって、学習法の科学的分析と体系化が進んでいったそうです。
言語習得が、国家の生き残りを左右する、そんな緊迫した背景があるので、効率的・効果的に体系化した手法が生まれざるをえない状況だったのかと思います。特に近年、英米の幼児や若年教育、移民向けの英語教育では、効率よく言葉を学ばせる方法が主流になっています。当教室で使用している多読アプリも、体系的に英語の文法や語彙力が伸ばせる仕組みになっていて、使えば使うほど、よく出来ているな~と感心する事がしばしばあります。また、言語習得のコアとしてフォニックス(読み方)を位置づけています。ちなみにイギリスのフォニックスの教材でとても優れているのが「Jolly Phonics」。世界140か国で使用されていますが、その特徴は多感覚アプローチ。子どもだけでなく、「人」には各自がもつ学びやすい方法があります。ジョリーフォニックスでは、一つの文字に対して「絵を見る」「お話を聞く」「声に出す」「動作をする」「書く」「触れる」「想像する」といったたくさんの方法を使うことで、子ども自身が自分の得意な部分を使って修得できるのです。「人種」の違いだけではなく、「性質」の違いも考慮した言語習得法なのです。イギリスにおいても1970年代くらいまでは、日本と同じように、読みや綴りを「丸暗記」に頼っていましたが、2000年代になりフォニックス(特にシンセティック・フォニックス)が体系化され、一気に識字率が向上しました。
フォニックスの次は頻出度の高い単語や文章を優先的に学ばせる方法です。日常生活の中でよく使う単語は決まっているので、それらの単語を早く身につけると効率が良いのです。日本の英語教育はボトムアップ式で、「簡単」から「難しい」へと学習していきます。仮定法のwould やcouldも中3で学びます。でも実際の生活では、これらの単語は頻繁に出てくるので、早い段階で読みやスペルを学びます。そちらの方が効率が圧倒的によいのです。また、最も重要な単語のグループが「動きの動詞」です。「とる(take)」「走る(run)」「食べる(eat)」「手に入れる(get)」などで、日常会話や作業で最も重要な単語を優先的に学びます。英語圏では、それらの単語をカードで楽しくゲームをやりながら読み書きを学びます。
英語を学ぶ子供達が最初に躓きやすいのが、実は読み書きです。そしてここで躓くと、その先の英語学習が苦痛になってしまいます。そうした周知の事実を考慮し、「なんとなく遊んで楽しかった」という活動ではなく、まずは音と綴りの関連性をしっかり小学生の間に習得
するという現実的な目標があれば、中学英語への土台、そして英語スピーキングへの自信にも繋がっていくのではないかなと思います。ただ、フォニックスを指導できる小学校の先生は非常に限られていて、民間の英会話教室等の頼らざるを得ない状況も事実で、教育格差のギャップを埋めていくにはどうしたらよいか、1人で紋々もんもんと考えている今日この頃です。
アークアカデミー通信9月号
8月に巷で話題になったニュースといえば「23年度全国学力テストの結果」。なんと中3英語「話す」の正解率が12%、その中身は0点だった生徒さんが63%もいたそうで。英語教育関係者には相当なショックな結果だったのではないでしょうか。
どんな難しいテストが出たのか気になり、動画をチェックをしてまず気になったのが、スピーキングの遅さ・・実用英語でこんなにのんびりダラダラとしゃべる人はいません。日本語の説明もやたらと長いし、油断したら居眠りをしそうになりました。文科省は「質問が難しすぎた」というコメントを残していましたが、自分の考えを述べるだけの試験内容だけではなく、相手の意図を汲んで回答する必要がある設問もあり、英語力だけではなく、コミュニケーション能力も問われていたと思います。
さらに問題になるのが、今の中3というのは小学校で4年間、そして中学校で英語を学習した子たちということで、いわゆる小学校での英語教育の成果が問われる試験となったのに、会話活動を中心にした英語教育を実践したにも関わらず、スピーキングがこの散々たる結果となってしまったこと。学校英語を変える、変える、とう何年言い続けているのでしょうか・・・学習指導要領は確かに激変していますが、結局は絵に描いた餅になっているようです。
英語は学校任せにしていては身につかないし、下手にカタカナ英語が身についてしまうと、取返しに莫大な時間がかかるという危機意識は持っていた方がいいと思います。中学生の英語嫌いが増えている、という記事を先月のニュースレターでも書きましたが、ラジオ英会話やYOUTUBEなど、工夫次第でいくらでも英語は学習できるので、遅くでも小学生高学年頃から、学校英語に頼らない、自分にあった英語学習を開拓していくことを強くお勧めします。
アークアカデミー通信9月号ができております。下記のアイコンをクリックし、ダウンロードをしてご覧ください。