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【ブログ】高学年ビギナークラスと英語教育

 

 

 

「英語教育で生徒も教員もボロボロに」こんな記事を読み、暗澹たる気持ちになっています。ある小学校教員は、「英語の学習を早期に諦めてしまう子どもが増えた。英語の教員が学校に出てこられず病休になった。日本の英語教育を何とかしないと生徒も教員もボロボロにされてしまう」という感想を残していました。

2020年度から実施された小学校学習指導要領によって、外国語が5・6年生で教科化され、読む・書く活動や成績評価も必要になりました。中学2年で習っていた不定詞なども小学校に下ろされ、600~700語という過大な語彙がノルマとされています。小学校段階で英語の成績が二極分化し、英語嫌いになって中学校に入る子どもが増えています。

もっと可哀そうなのは中学生・・授業数はそのままなのに、語彙数は旧課程の約2倍。文法に関しては高校で学習していた現在完了進行形や仮定法まで中学校に下ろされ、やる事が多すぎで、定着するための反復練習をしている時間もないのが現状です。

一方、小さい頃から英語に触れて感覚的に英語の音を貯蓄してきたお子さんは、中学校でしっかり文法の知識と語彙力を伸ばすことで、爆発的に実力が伸びています。ヒアリング等は「簡単すぎる」レベルなのではないでしょうか?

自民党が2013年に「結果の平等主義から脱却し、トップを伸ばす戦略的人材育成」が学習指導要領を通じて学校現場に押し付けられ、格差と疲弊が広がっている事実を肌で感じます。英語力の底上げどころか、英語嫌いはますます増えている状況です。こんな状況でダラダラと小学校3年生から高校までの9年間英語を続けたところで、使える英語が身につくわけがありません。子供達の貴重な時間を無駄にするだけではなく、彼らの可能性までもぎ取ってしまうのではないかと危惧します。

一方、英語圏は学者がデータを収集し、最も効率的な方法で言語を身につける手法を体系化し、「標準的な手法」として政府が広めています。移民国、植民地を抱えた国として多様な人間がいるため、言語を素早く身に着けさせることが国家運営に最も重要なことの一つであるためです。言葉がわからないとすべての活動に影響が出てきます。

当教室で導入している多読アプリ一つとっても、本当によく出来た教材だなと、使えば使うほど実感しています。アメリカの多くの学校で教科書として使用されているアプリですが、言葉を学ぶ過程を科学的によく分析し、体系化されているなと感心しています。移民が多いアメリカだからこそ、効率的・効果的に英語を学べる仕組みが常に検証され進化し続けている、そんな感じがします。いつまでたっても軌道修正ができない日本の英語教育とは大違いです。

特に幼児や若年教育、移民向けの英語教育では、効率よく言葉を学ばせる方法が主流になっています。そのコアになるのがフォニックス(読み方)、次に頻出度の高い単語(サイトワードやhigh frequency words)や文章を優先的に学ばせる方法をとっています。生活のなかでよく使う単語は決まっているので早く身につける方が効率がいいのです。

結局、日本の英語教育はいまだに大学受験という事を目的・目標にしているので、大学受験制度が変わらないと学校英語は変わらないのかもしれませんね。と、私がブツブツ文句をいっても何も変わらないので、1人でも多くの子供達が英語嫌いにならないようにという事を使命に、出来る事を出来る範囲で一生懸命やっていければと思っています。4月から開講予定の「高学年ビギナークラス」は、そんな思いがこもったクラスです。中学英語という大波が押し寄せてきても、「英語が好き」という芽が伸びていくよう、「楽しい!」という水と肥やしと光をたっぷり注ぎ込みます。中学になるまでに英語と仲良しになっておきたい高学年のお子さん、まずは体験レッスンをお試しください。

体験会

3月2日(木)午後4時45分~5時15分

担当:育子先生

場所:あかしあ台教室

【ブログ】ローマ字の弊害について考えてみました

小学校3~4年生くらいになると、子供達の英語の発音に変化が見え始めます。あんなにきれいに発音できていたのに、なぜカタカナ英語なの??と不思議に思っていたのですが、これは学校で学習するローマ字が大きく影響しているようです。ローマ字は、日本語の固有名詞を英語で表記するには便利ですが、それ以外はあまり役にたたないように個人的には思っています。むしろ英語学習者にとっては大きな障害となる事の方が多いようにも思います。子供のスペリングにもローマ字汚染の影響が表れており、子供のローマ字学習って、英語学習においては弊害でしかない、とまで思うようになりました。

 

ローマ字読みが染みついてしまうと、英語らしい発音ができなくなります。そしていったんこのカタカナ(ローマ字読み)英語が身についてしまうと、それを修正するのは本当に難しいです。よく、発音が悪くてもなんとか通じるから大丈夫、なんて言う人がいますが、カタカナ英語が通じるのは日本人と、カタカナ英語に慣れている外国人くらいです。ちなみに、日本語訛りは世界で最も通じない英語アクセントの1つです。

 

発音に関しては、やはり年齢が若ければ若いほど有利です。アークで学習されている幼稚園児の生徒さんは聞いたままをそのまま発音してくれるので、ネイティブと間違えてしまうほど、発音がきれいなお子さんはたくさんいます。でも小学校高学年くらいから英語を始める場合は、発音は意識して練習しないと絶対に上手くなりません(涙)。そもそも日本語と英語では音の数がまったく違うのです。日本語の音は100くらいで、一方英語の音は300くらいあります。日本人にとって練習しなければ出せない音が約200ほど英語にはあるのです。r, l, t, d, v, f, th等は代表的な音ですが、出せない音は、一番近い日本語の音に置き換えてしまう傾向にあります。「t→と」、「d→ど」、「f→ふ」のように・・・。これはネイティブにとったら非常におかしな発音に聞こえます。

 

そして、母音。日本の子供達にとっては子音より、母音の発音の方がハードルが高いように思います。特にローマ字が導入され、母音は A(ア)E(エ)I(イ)O(オ)U(ウ)の5つだけだと刷り込まれてしまうと、手が付けられないくらい発音のレベルが低下します。英語の母音は数え方次第でいくらでもあります。その上に、単語の綴りと発音が違いますから、まずは音の出し方を覚える必要があります。カタカナで「ア」と書く音だけでも、8~10通りの音の出し方があります。

 

では、母音とはいったいなんなのでしょうか?母音は

 

➀有声音なので喉から声が出る。

②肺から出る空気の通り道をふさがない。

③だから止まらないで持続する。

 

という性質があり、よく通る、よく響く音です。ゆっくりと「あいうえお」と言ってみればわかるかと思います。英語の話し言葉の要はこの母音なのです。英語をわかりやすく正確に話すには、母音をはっきり正確に発音することが肝心です。子音をできるだけ軽く、母音をはっきり発音するのが英語の話し方の大原則。英語独特のリズムやイントネーションは、この子音と母音の組み合わせから生まれます。米式の発音は特にそうです。日本語は逆に子音が強く、母音が聞こえないことが多いので、カタカナ式の発音は少し複雑な話になると通じなくなります。また、英語を聞き取る場合も、日本人は子音をすべて有声で聞こうとするので、特に省略の多い普段の会話がわからなくなるのです。子音は聞こえないことも多いという事を覚えておかなければなりません。

 

それぞれの音を出すには、英語を話す時の筋肉を鍛える必要があります。アークアカデミーの多読クラスでは音読をする事が大切な宿題となっていますが、音読やシャドウイングは、英語を話す為の筋トレだとイメージしていただければいいかと思います。スポーツと一緒で、頭にだけではなく、音が出る場所を体に覚えさせる訓練が必要です。私自身、初めて海外に行った時、「really」という単語が何度言っても通じず、情けない思いをしましたが、発音の仕方が分かっていればたいして難しくなかったのになと思っています。

 

英語はやろうと思えば何歳からでも始められます!でも、ローマ字に汚染(?)される前に、英語は英語の音があり、それを素直に「聞く・発話」する練習をしっかりすることで、ローマ字の嵐に耐えていける英語耳と筋肉を維持できるのではと思います。

【ブログ】英語の「多読多聴」が日本ではなぜ定着しないのでしょうか?

英語の「多読多聴」が日本ではなぜ定着しないのでしょうか?

 

口が酸っぱくなるほどお勧めしている「多読・多聴」。なぜお勧めしているかというと、圧倒的な効果があるからです。私のような田舎のおばちゃんの戯言ではなく、あの夏目漱石や政治学者の丸山眞男等、日本を代表するような大大大先生方も、英語の多読を勧めています。多読・多聴をすることによって「英語ができる」状態になります。

では、「英語が出来る」とはどういう状態の事なのでしょうか? それは、英検1級やTOEIC満点といった数で表せるようなものではなく、日本語を介せず、英語は英語で処理できるようになった状態、別の言い方をすると、「英語脳」ができているかどうかだと思います。そして、この英語脳を作るには、多読・多聴が必須なのです。

 

では、なぜこんなにも、英語の多読・多聴が日本では定着しないのでしょうか?その理由を少し考えてみました。

 

【理由1】 日本人の気質に合わない(笑)

 

私達が学んできた方法は「精読」というスタイルで、日本人の気質にぴったりする学習方法です。

精読とは:

  • 自分の現在より難しいものを
  • ゆっくりでいいから
  • 2~3行ずつ、正確に訳す

精読が力を発するのは英語上級者(英検1級以上)。英語初級~中級者は、英語ネイティブ6歳~7歳くらいの子供が読む本をたくさん読み、英語にまず慣れる事が重要です。内容を正確に読めているかどうかは気にせず、「簡単」な本を「速く」、そして「大量」に読む、これはいちいち日英変換せず、英語を英語のまま理解する”英語脳“作りの筋トレなのです。「いい加減がよい加減」。このいい加減を楽しむ余裕が日本人は少し下手なような気がします。

【理由2】 時間がかかる

多読とか多聴って、効果が出現するまですごく長い時間がかかります。これが、おそらく多読多聴の唯一の「弱点」です。弱点というより「語学を習得すること」という営みの本質です。語学というのは習得に本当に時間がかかる。「短期間で」上達できる英語学習法というのはほぼないと思った方がいいです。

そもそも問題集を2~3冊したくらいで英語力がすぐ上がるほど、語学は甘くありません(きっぱり断言)。英語の本を100冊よんだら、英語が少し読めるようになる。英語の映画を100本見たら、英語が少し聞き取れるようになる、そんなものなのです。なので、継続できる人は少ないし、続けられた人は超上級者になれます。「3ヶ月でTOEICのスコア200点アップ」みたいな話もありますけど、それは「TOEICのスコア」が上がったという話であって、TOEICのスコアと英語力にはあまり強い相関関係は有りません。

【理由3】 効果を実感しにくい

TOEICや英検が人気がある一つに、点数として“英語力”を可視化しやすい為だと思います。でも英語の多読って、「伸び」を、外形的に数値化して評価するのは困難です。というか、語学力、言語運用能力というのは数値化したりするのが難しんです。「勉強をした」という実感のないままに、習得してしまっている、そんな感じです。なので、語学学習は「量と頻度が絶対的に重要」という確信がないと、モチベーションが持続しないのです。

【理由4】 多読・多聴の教材の値段が高い!

多読・多聴はとにかくたくさんの本を読む・聴く事。英語多読用の教材も以前に比べて手に入りやすくなったものの、個人で買いそろえようとすると、かなりの投資になります。また、子供は気に入った本は何度も読むけれど、興味のない本は開きもしない、という事もしばしば。せっかく買ったんだからとりあえず読んで!!と思えば思うほど、親の方もストレスアップ。国も英語教育に力を入れるのだったら、各自治体に英語の本が自由に読める図書館を設立するくらいの勢いで頑張ってほしのですが・・・

上記のような理由で、英語学習者は洋書を読むという最高の学習法を諦めて、日本語で書かれた文法書や問題集や参考書に流れていってしまうのかもしれません。テストの点に繋がるという即効性もあるし、勉強した気にもなれます。でも日本人の多くが、何年も英語を勉強してきているのに、喋れないし書けないし読めないし聞き取れない、という事実を考えると、方向性の転換が必要だと気付くのではないでしょうか?

2月15日(水)午後11時~12時、多読と多読アプリの説明会を行います。英語の多読・多聴がアプリを使って簡単に始められるのですが、継続するためには、保護者様の理解とサポートが必須です。興味のある方はぜひ気軽にご参加ください。

 

 

 

高学年ビギナー無料体験レッスン

 

 

 

「小学生ですでに英語嫌いが急増中」

小学英語、3、4年生に比べて、英語の内容が格段に難しくなっています。以前は中学1年生で習っていた内容が前倒しされ、特に文法などの説明もないまま、学校の授業は進んでいます。英単語数も小学校5~6年生のうちに600~700語を習得することが目標とされています。難しいと感じるのは当然かもしれませんね。

英語教育関係者と話しをしていても「中学の入学段階ですでに英語アレルギーになっていて、つまずいている子が多い」と口を揃えて言います。英語に抵抗感を持った状態なのに、小学校である程度は履修済みとして続きの内容を進めようとするので、中学校でもっと英語が嫌いになり、わからなくなってしまう子がものすごく増えています。特に中学生の1学期が明暗が分かれるらしく、ここで英語嫌いになると、苦手意識をず~と引きずる事になります。

そもそも人の脳は、小学4年生以降、ようやく抽象的な論理や理屈が少しずつ理解できるようになっていきます。だから英語も、文法理解での学習法は小学校高学年段階ではまだハードルが高く、中学生になったぐらいでようやく文法を受け入れられるようになるわけです。つまり、日本の学校教育でこれまで採用してきた文法や暗記を重視するスタイルの英語学習法は、中学生だからかろうじてできた方法なのです。小学生にこれまでの中学1年生の英語の内容を教えるのであれば、体験やストーリーの理解といった、より感覚的な形に変えて「今わかる、今できる」ものにしてあげなければいけません。

英語嫌いの増加の原因は「小学生と中学生では脳の成長のタイミングが大きく異なるということを考慮しない設計になっている為」といっても過言ではないと思います。

こうした国家指導型子供英語教育の設計ミスの被害者を一人でも減らしたい!英語嫌いを一人でもなくす!そうした強い思いが、新年度より開講する「高学年ビギナークラス」に込められています。お勉強になってしまう前に、感覚的に「今わかる、できる」楽しい英会話を経験することで、言葉としての英語の素地をまず育む事を目標にします。そして基本的な読み書きの練習をすることで、中学英語へのハードルを低くしていきます。

中学の3年間って語学学習の黄金期だと思います。その時期に、英語嫌いになってしまうのは、あまりに、あまりに、あまりにもったいないし、これほど残念な事はありません。

中学で英語につまずきたくないと思われている高学年生、ぜひモデルレッスンでクラスの様子をまず体験してみてください。

3月2日(木)午後4時45分~

担当:育子先生

場所:あかしあ台教室

 

新規生徒募集中 高学年ビギナークラス

小学校から英語が教科化され早2年になりますが、中学の入学段階ですでに英語アレルギーになっていて、つまずいている子がとても増えているようです。英語に抵抗感を持った状態なのに、小学校である程度は履修済みとして続きの内容を進めようとするので、中学校でもっと英語が嫌いになり、わからなくなってしまう子も年々増加の一途をたどっているようです。これまで中学で学んでいた内容を小学生で学ばなければならなかったので無理はありません。

そんな状況を危惧して、「お勉強」英語で英語嫌いになってしまう前に、「楽しい英語」を経験して、英語好きになってほしいと思われている保護者の方も多いかと思います。

でも、高学年になってから「英語教室」に通うのって、ハードルが高いですよね・・同学年の子供達が使っているテキストをみても読めな・書けない。先生が言っている英語は分からない。クラスのみんなは分かっているのに自分だけ分からないのって、たまらない気持ちだと思います。高学年になると理解力が高いだけに、「分からない」事に対してもどかしさを感じると思います。

そんな悩みをお持ちの方の受け皿として、今年度も初心者対象の高学年クラスを開講します。英会話はもちろん、中学英語にスムーズに移行できるための読み・書きや基本的な文法も指導いたします。なにより、「楽しい」英語を経験していただくことが最大の目的です。

中学で英語に躓いてほしくない、そんな願いから始まったクラスです。興味がある方は是非お問合せください。

【クラス詳細】
木曜日: 午後5時40分~6時30分 (日本人講師担当)
お月謝:5,980円(消費税別)
教材費:4,000円以下
場所:あかしあ台本校

【ブログ】「幸せなら手をたたこう」

 

 

 

 

子供達の大好きな歌 “If You Are Happy and You Know it Clap Your Hands” 。「幸せなら手をたたこう」は日本人なら誰でもしっている童謡ですね。アークの生徒さんにとっても馴染みの深い歌かと思います。この歌は1964年に坂本九さんが東京オリンピックで歌ってヒットし、それ以来いろんな言葉に訳され、今では世界中の子供達に愛されている曲です。

曲はスペインの民謡が元になっているようですが、作詞は早稲田大学人間科学部名誉教授の木村利人さん。元々は木村さんが学生時代フィリピンでボランティア活動をしていた際に原曲を耳にし、木村さんが帰国の途に着いた際に、旧約聖書の詩篇47篇を参考にして詞をつけたものが元になっているそうです。

実はその木村さんが、私の実家がある徳島に講演に来てくださり、そのことが新聞に掲載されました。フィリピン人の友達にぜひ紹介したいからと実家の父に頼まれ、新聞記事を英語に訳してみました。「楽しい童謡」の背後には平和への切なる願いがある事を知り、この曲をクラスで歌うたびに、感慨深い気持ちになっています。

下記が新聞記事の英語訳です。よろしければご一読ください。

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You may have heard about the song If You’re Happy and You Know it Clap Your Hands. It is a fun children’s song sang in many languages. This song was written by Rihito Kimura who is a professor at Waseda University and recently he gave a speech about the story behind this song.

He visited the Philippines as a volunteer from a Christian organization in 1959. There were still strong anti-Japanese feelings from WWII, and that made it difficult for him to build a relationship with local people. Despite that difficulty, he dedicated himself to the volunteer work and regular worship. As he started to share the gospel with local people, they started opening up to share about their experiences in the War. He was touched by the transformation that had occurred in the hearts of the people, how they began to let go of their resentment and embrace hope.

On the ship going back to Japan, a lyric came to his mind as he was listening to the local children singing. The phrase “if you are happy and you know it clap your hands” was from the bible verse from Psalms. He wanted to share his experience by physicalizing the song with actions such as “clapping hands,” believing that people can overcome the hurt and anger toward each other by building relationships.

 

【ブログ】中学生クラスについて

 

英語学習で一番重要な時期って、中学の3年間ではないかな~と個人的には思っています。小さい頃から英語に触れてきた子供達にとっては、英語力を「爆発」させるチャンス。今まで音として感覚的に学んできた英語を、文法というツールで整理出来る事によって、暗黙の「なんとなく」が論理的に「わかった」に明示化がされ、英語4技能力が一気に伸びます。

2021年より、英語のカリキュラムが大きく変わりましたが、その中でも歓迎すべき一つの変化は、「仮定法」を中学で学習する事かと思います。「仮定法」が使える事で、表現の幅がぐんと広がりますし、中学3年生程度の文法力があれば、日常会話レベルの英語は十分カバーできます。難しい語彙を駆使しなくても、基本的な動詞(get, take, like, want, go, 等)を使う事で、いろんな表現ができるようになります。

また中学以降から英語をはじめる場合には、学びの「圧縮」が出来るというメリットがあります。この時期には母語の能力(国語力)がひとまず成熟の段階を迎えますから、それを補助にして英語力の方も一気に引き上げる事ができます。ある程度の論理的な思考力が身についてきた子供なら、構文はもちろん、品詞の種類や、抽象度の高い語彙など、ネイティブの子供達が10年以上かけて理解していく知識を、ごく短期間で学ぶことが可能です。

当教室の中学生クラスは、「英会話」を中心とし、英語の運用能力を高める事を目的としていますが、運用能力を高めるためには、まずその骨となる文法理解がとても大切になってきます。特に母語での文法学習が効果的・効率的な時期でもあります。英語の語彙・文法を固める事ができれば、「英語は英語で学ぶ」ステージへと移行する事ができます。

上記の理由より、当教室での中学生クラスは、日本の中学生の学習状況をよく把握した日本人講師が担当させていただきます。英語の運用能力を高めつつ、その基礎となる文法も楽しく、そして分かりやすく指導させていただきますので、ぜひ中学生クラスの受講・入会をご検討ください!

【ブログ記事】使える英語に繋がる英検対策

外検入試を実施する大学が増え、大学受験で英検2級が優遇される国公立大学も年々増えています。そんな傾向が後押しし、小学生のうちから英検に興味を持つ生徒さんや保護者様も多く、英検についての質問をよく受けるようになりました。

英検の効果的な勉強法でも力を発揮するのが英語の「多読」です。アークアカデミーのような小さな英会話教室でも、小学生のうちに2級を習得する生徒さんや、中学校で準一級を習得された生徒さんも何人かいらっしゃるのですが、皆さんに共通するのは、「よく読んで、よく聞いている」こと。すなわちインプット量が多いという事です。特にある年齢からは「読む」事が、「聴く」事以上に情報定着に力を発揮してくるようです。

英語を忘れないお子さんに共通している事は、文字が定着しているという事です。それは英会話教室に通われている生徒さんに限らず、帰国子女でも同じ事がいえます。幼稚園児くらいで帰国した場合は、帰国当初は大人顔負けの流暢な英語でしゃべっていても、あっという間に英語を忘れてしまいます。でも高校生くらいで帰国した子どもは、長期にわたり英語力が維持されています。文字が定着していればしているほど、英語力を維持できるようです。

英検に話を戻しますが、英検はまずはフォニックスをきちんと学んでいる事が前提です。英語が読めないと歯が立ちません。英検5級~4級くらいなら、当教室で使っているテキストブック(コースブック2~3)を徹底的に使いこなしてもらえれば、基本的な英語力も養なわると同時に英検対策にもつながります。テスト前に過去問を解いて、テストの傾向に慣れておきましょう。

私達の親の世代が中学生の時に勉強していた感覚では、①文法を習って英語のルールを理解、②問題演習、という段取りを考えますが、小学生以下の場合、フォニックスの基礎があれば、いきなり過去問をみせても大丈夫です。そもそも文法を説明しても理解できません(すでに英語を学習してきた高学年のお子さんには文法導入のよい時期ではありますが)。

3級を目指す生徒さんはコースブック3~4をたくさん音読し、宿題の44フレーズを書ける・読める状態にしておくこと。そしてテスト前に過去問で傾向や語彙に慣れておけば、いろんな教材に手を付けて広く浅く勉強するより効果的です。

準2級以上を目指す生徒さんは、多読をお勧めします。多読を始めるタイミングは、フォニックスとサイトワードの基礎がある事。多読で英検準1級を小学生で習得したお子さんもいらっしゃったのですが、彼らに共通している点は、

①自分にとっては簡単な本を

②ハイスピードで

③大量に

読んでいる事です。簡単なレベルというと、3級から準2級程度の本で、英語ネイティブ6歳~7歳くらいの子供が読む本です。内容を正確に読めているかどうかは気にせず、「簡単」な本を「速く」、そして「大量」に読む、これはいちいち日英変換せず、英語を英語のままで理解する“英語脳”作りの筋トレなのです。英語脳を育成することによって、英検のみならず、使える英語が身に付きます。

親の世代の勉強方は全く逆で、

①自分の現在の力より難しいものを

②ゆっくりでもいいから

③2~3行づつ、正確に訳す

いわゆる精読と言われるものですが、精読が力を発揮するのは英語上級者。英語初級~中級はまずは多読で英語脳を育成する必要があるのです。また、良質な英語にたくさん触れているので、ライティングのトレーニングも、短期間で済みます。日本語→英語の翻訳ライティングでは、いつまでたっても英語らしい文は書けません。

ちゃんと本が読めるお子さんは、聞けるし、話せるし、書ける。中学生のうちに英検準1級~1級を目指したいと思うのなら、早いうちに読む練習をしておくことを強くお勧めします。塾での学習のように、すぐに「テストの点」には反映さえませんが、3年間あれば必ず成果として実感できるし、使える英語に繋がっていきます。英語脳が育てれば、その後の伸びは早いです。まずはアウトプット20%、インプット(読む・聞く)80%の割合で学習をすすめてみましょう

アークアカデミー通信1月号

Happy New Year!  明けましておめでとうございます。

車の技能試験に不合格になってしまったアメリカ人の私の親友(涙)。アメリカ人が日本の免許に切り替える際、技能試験を受ける必要があります。この技能試験のハードルが高い!なぜかというと、技能試験の合格基準は、「事故を起こさない安全運転が出来るか?」だけではなく(試験全体の20%の評価くらいでしかありません)、安全確認の順序、ウインカー点灯秒数などの教習所で教わった運転方法を100%求められるからです。ルールを守る事が最も大切なのです。本来ルールは目的を達成するためのものである筈なのに、日本ではよくルール自体が目的となっているケースが多いようにも思います。

例えば、将棋の佐藤天彦九段が対局中にマスクを着用しない違反行為で、反則負けになったというニュースが話題になりましたが、そもそも将棋の対局中は喋らないのに、マスク着用のルールがあることが異常です。目的の達成に貢献しないルールは自由を奪う害になります。このニュースを見ておかしいと思えないなら思考停止の極みです。学校の校則も、目的が分からないルールがたくさんあり、尾崎豊の歌が心に響いたというパパやママもいらっしゃるのでは(笑)?

公教育の英語に関しても、教科書に記載している事を忠実に暗記する事ができるかどうかが目的となっているのでは、と思う事がしばしばあります。「高校3年生までに、英語のニュースが聞き取れ、ハリーポッター程度の本が読めるようにする」というような具体的な目的を設定し、その目的達成のために注力した方が、効率的・効果的なような気もします。4技能の実力向上はもちろん理想ですが、限られた時間の中ではまずは優先順位をつけて取り組んでいかないと、どれも中途半端に終わってしまいます。

「英語を制するものが受験を制する」という言葉も聞かれますが、試験ではよい点が取れても、実際に使える英語が身につかなければ意味がありません。英語評価の基準を変え、現実的な目的設定を検証してくれれば、英語嫌いも減るのでは、と妄想にふけながら新年を迎えています。

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アークアカデミー通信12月号

 

 

アメリカの文化人類学者であるルース・ベネディクトの著書『菊と刀』には、日本人の国民性を研究したものが記されています。その中で彼女は、欧米では内面の良心を重視する(罪の文化)のに対し、日本は世間体や外聞といった他人の視線を気にする(恥の文化)と考察しました。日本人の行動を規制するのは内なる良心ではなく、人の目(世間)であると記されています。どちらの文化が良いとか悪いとかいう問題ではなく、自分が背負っている文化を客観的に評価することによって、なるほど!と納得がいくことがよくあります。

例えばある調査では、「マスクが外せない」理由は科学的根拠より、人の目が気になるからと答えた人が75%だったそうです。中高生では、自分の素顔を見せる事自体が恥ずかしくてしょうがない、と感じている子供達が増えているそうです。多数派の意見や方向に従う事が「正義」という暗黙の空気が満ちている、そんな気さえします。

この恥の文化は、ひょっとして日本人の英語習得は阻む要因にもなっているのではないかな~と思う事がしばしばあります。とにかく間違う事が心理的に重いというか、耐えられないというか・・・特に英語ビギナーにその傾向が強く見られるように思います。「恥」の感情にとらわれてしまうんです。実は私自身もそうでした。私たちは偏差値教育の中で英語を学ぶことをほとんど制度的に強要されてきたので、無意識のうちに「人と自分の英語を比べる」ことをしてしまい、「間違いはダメな事」だと刷り込まれているのです。

逆に、英語上級者は、自分はまだまだ英語ができないという、ありのままの自分を認め、素直に学べる人が多いような気がします。なので伸びしろが大きいのが特徴です。

結局「恥」って自意識過剰によるもの。自分は自分、他人は他人という、健全な個人主義もバランスよく養っていきたいものですね。

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