大学共通テスト(英語)を早速チェック。

 

今まで一番難しいテストとなったそうですが、文章自体はいたって平易。英語ネイティブ2年生くらいの難易度です。ただ量が増えたのと、英語能力というより情報処理能力が問われている感があり、時間が足りなかったという感想が多いのも頷けます。返り読み訓練ばかりしているとdecoding (解読)はできても, リーディング力は伸びません。

 

5年10年の長期的なトレンドでは、大学共通テスト英語は今より簡単になることはまず無く、更に分量が多く、スキミング力、語彙力事務処理力が必要の問題になり、10年後には就活でTOEICは用済みになり就活で共通テスト英語のスコアを提出する時代が来るかもしれません。実際、来年度からのテストは更に難化し、単語の難易度も読むスピードも格段に上がるので、多読を始めるのなら早い方がいいです。英語を英語で処理できる英語脳が訓練されると同時に、受験対策にも直結します。現に多読に取り組んでいる小学生に今回のテスト問題を読ませてみたら、頭から文を読み、問題も難なく答えていました。

 

入試試験における今後の対策としては、試験問題を時間内に解くためのテクニックを養うことに重点を置かれるような気がします。本来は言葉を勉強するのであって、試験問題を時間内に解くためのテクニックを養うことではないはずです。英語がますます受験の為の英語になってしまうのではないかと危惧しています。大量の問題数をこなす事ができても、使える英語がみにつくかは疑問です。テクニックばかりで練習する時間が圧倒的に少ない、そんな感じもします。スポーツだって音楽だって、論理ばかりで実際に体を動かして練習しなければ身につきません。英語も同じです。

 

基本から実践と幅広く網羅している多読。音や文法などまったく違う言語である英語を学ぶ日本人にとって、まずは英語を英語で処理できる脳にするための矯正作業が必要です。その作業に圧倒的な力を発揮するのが多読です。多読はいつからでも取り組めますが、小学生から始める事をお勧めします。小学6年生までに、今回の共通テストレベルの文が読めるようになることが理想ですね。中学や高校になると、テスト勉強や部活で本当に忙しくなり、多読のように結果がすぐに表れない学習法は、どうしても優先順位が低くなってしまうのです。中学生になるまでに読む習慣をつけていれば、毎日10分~15分の取り組みを継続する事が苦でなくなります(面倒くさいと思うかもしれませんが、淡々と取り組む事が大切です)。毎日10分~15分の取り組みが、結局は効率的・効果的に英語力アップに繋がります。試験を前提とした読解(decoding)テクニックを学ぶのも決して悪くはありませんが、それらに費やす時間と労力を、読む(reading)ための練習に使う事ができれば、試験対策に繋がるとともに、使える英語がみにつきます。

 

今回の共通テストを見て、ますます多読の重要性を実感しています。まずはアルファベット、次にフォニックス、そして基本的なサイトワードと進めていき、多読へ繋いでいきましょう。3~4年生から始めてみるのがベストとは思いますが、個々のお子さんの文字認識にあわせて始めるタイミングを検討してみて下さい。長文を早く正確に読めるようになるのに必要なのは、テクニックではなく練習です。時間をテコにできれば、無理なく練習を積む事ができます。

 

多読の説明会を1月31日(水)に予定しています。

興味のある方は気軽にお問合せ下さい。