幼稚園年少~年中を対象にしたスーパートドラークラス。音だけを頼りに、子供達は先生やCDの音を楽しく真似して発話してくれています。耳だけを頼りに発話してくれる英語は、うっとりするくらい発音が綺麗です。

日本の英語教育は、残念ながら発音にはあまり力を入れてないような気がします。いったん「カタカナ英語」に洗脳(?)されてしまうと、それを修正するのは本当に大変です。「カタカナ英語」って、悲しいくらい通じません。年齢が上がれば上がるほど、素直に英語を聞いてそのまま発音する、という事ができなくなってきます。なぜ正しい発音が身に付かないのか、いろんな理由があると思いますが、その理由の1つは文字に引っ張られてしまい、思い込みで発音している場合が非常に多いからだと思います。

ネイティブの子供が発音を身に付けていく順番は、たくさん聞く→耳が育つ→発音できるようになるこれは基本的にノンネイティブも同じです。

まず音をたくさん聞く、これは基本中の基本ですが、日本人はこの聞く量が圧倒的に足りていません。耳が育つ前に文字(特にローマ字)が導入されるので、どうしても音より文字に頼ってしまう傾向が強いです。中学校の教科書をみると、いきなり月名や曜日、数字など、ネイティブの子供がよく間違えるようなスペルを覚えさせられますが、それらを読めて書ける生徒はいても、ちゃんと発音できる生徒は極々わずかです。ちなみに、文字の「読み・書き」は個人差がとても大きいです。生徒さんを観察していると、文字を読んだり書いたりする事が苦手な生徒さんは、文字ではなく耳を頼りにするので、発音がとてもきれかったりします。ネイティブのように発音できる生徒さんが、簡単なフレーズを読むのに苦労しているというケースは珍しくありません。

発音矯正のテキスト等を見ていると、口の開け方や発声の仕方、舌の位置関係などの説明がまず出てきます。これらはもちろん大事なのですが、一番大事なのはまず「聞く」事です。テキストの付属の音声等があれば、テキストを見る前に黙って「聞く」事。英語はピアノや他の楽器と同じように音感を身に付ける事がとても大切です。1~2週間くらい聞き込み、発音を真似してみてください。聞いた音が文字を見ずに再現出来始めたら、テキストを開いて文字と音を一致させる、この最後の段階で文字の力が生きてくるのです。当教室では「BBカード」を使って英語の口慣らしをしますが、文字は見せずに聞いた音をそのまま再現してもらいます。これは音感を鍛えるもので、意味や文字は後回しです。不思議な事にスラスラ発話でき始めると、意味がだんだん理解できるようになってきます。

英語には日本語にない音がたくさんあります。発音記号を学んだ方もいらっしゃるかもしれませんが、カタカナで「ア」の一文字だけで表せても、英語では10以上の音の出し方があります。発音記号があれば見分ける事ができますが、これらの記号をすべて暗記しなければならないとなると時間がいくらあっても足りません。でも音として何度も聞き耳で覚えると、発音記号を知らなくても、難しい母音の聞き分けもできるようになってきます。

英語の音をたくさん聞き、その音が再現できるようになってきたあたりから、ネイティブに発音チェックしてもらうと効果的です。日本人が苦手とする音はたくさんありますが、中でも子音の:v, f, r, th, l 等はよく間違っているように思います。細かい発音は気にしくていいと思いますが、これらの子音は間違えると全然違う意味になったり、通じながったりするので、意識的に矯正した方がいいです。

基本的な発音の基礎ができれば、あとは多聴・多読などの実践を積む事によって発音が自然に上達していきます。聞いて、真似て、直して、実践、この順序を忘れないように英語の発音練習を楽しんでみてください!