「英語教育で生徒も教員もボロボロに」こんな記事を読み、暗澹たる気持ちになっています。ある小学校教員は、「英語の学習を早期に諦めてしまう子どもが増えた。英語の教員が学校に出てこられず病休になった。日本の英語教育を何とかしないと生徒も教員もボロボロにされてしまう」という感想を残していました。

2020年度から実施された小学校学習指導要領によって、外国語が5・6年生で教科化され、読む・書く活動や成績評価も必要になりました。中学2年で習っていた不定詞なども小学校に下ろされ、600~700語という過大な語彙がノルマとされています。小学校段階で英語の成績が二極分化し、英語嫌いになって中学校に入る子どもが増えています。

もっと可哀そうなのは中学生・・授業数はそのままなのに、語彙数は旧課程の約2倍。文法に関しては高校で学習していた現在完了進行形や仮定法まで中学校に下ろされ、やる事が多すぎで、定着するための反復練習をしている時間もないのが現状です。

一方、小さい頃から英語に触れて感覚的に英語の音を貯蓄してきたお子さんは、中学校でしっかり文法の知識と語彙力を伸ばすことで、爆発的に実力が伸びています。ヒアリング等は「簡単すぎる」レベルなのではないでしょうか?

自民党が2013年に「結果の平等主義から脱却し、トップを伸ばす戦略的人材育成」が学習指導要領を通じて学校現場に押し付けられ、格差と疲弊が広がっている事実を肌で感じます。英語力の底上げどころか、英語嫌いはますます増えている状況です。こんな状況でダラダラと小学校3年生から高校までの9年間英語を続けたところで、使える英語が身につくわけがありません。子供達の貴重な時間を無駄にするだけではなく、彼らの可能性までもぎ取ってしまうのではないかと危惧します。

一方、英語圏は学者がデータを収集し、最も効率的な方法で言語を身につける手法を体系化し、「標準的な手法」として政府が広めています。移民国、植民地を抱えた国として多様な人間がいるため、言語を素早く身に着けさせることが国家運営に最も重要なことの一つであるためです。言葉がわからないとすべての活動に影響が出てきます。

当教室で導入している多読アプリ一つとっても、本当によく出来た教材だなと、使えば使うほど実感しています。アメリカの多くの学校で教科書として使用されているアプリですが、言葉を学ぶ過程を科学的によく分析し、体系化されているなと感心しています。移民が多いアメリカだからこそ、効率的・効果的に英語を学べる仕組みが常に検証され進化し続けている、そんな感じがします。いつまでたっても軌道修正ができない日本の英語教育とは大違いです。

特に幼児や若年教育、移民向けの英語教育では、効率よく言葉を学ばせる方法が主流になっています。そのコアになるのがフォニックス(読み方)、次に頻出度の高い単語(サイトワードやhigh frequency words)や文章を優先的に学ばせる方法をとっています。生活のなかでよく使う単語は決まっているので早く身につける方が効率がいいのです。

結局、日本の英語教育はいまだに大学受験という事を目的・目標にしているので、大学受験制度が変わらないと学校英語は変わらないのかもしれませんね。と、私がブツブツ文句をいっても何も変わらないので、1人でも多くの子供達が英語嫌いにならないようにという事を使命に、出来る事を出来る範囲で一生懸命やっていければと思っています。4月から開講予定の「高学年ビギナークラス」は、そんな思いがこもったクラスです。中学英語という大波が押し寄せてきても、「英語が好き」という芽が伸びていくよう、「楽しい!」という水と肥やしと光をたっぷり注ぎ込みます。中学になるまでに英語と仲良しになっておきたい高学年のお子さん、まずは体験レッスンをお試しください。

体験会

3月2日(木)午後4時45分~5時15分

担当:育子先生

場所:あかしあ台教室