「書く」「読む」「話す」「聞く」というのが英語の4技能といいます、大学受験を目標に突き進んでいく日本の英語教育は、「書く」「読む」に重点がおかれ、中高6年と英語を勉強してきても話す事ができない、という事はよく耳にすることかと思います。実際は、「書く」ことも「読む」事もできていないのが実情です。

最近は英語教育改革の盛り上がりもあり、英語の4技能の重要性が謳われていますが、これらの4技能を「同時に・等しく」鍛えていけばいいかというと、そういうわけではありません。英語には年齢ごとに適切な学習法があります。うちの子はまだアルファベットも書けなくて・・・と幼稚園児のお母様が不安がられたりしますが、書く作業に幼稚園で1年かかっていた事が、高学年になると3日で学習できたりするものです。また逆に、幼稚園のお子さんが一回聞いただけできれいな発音を再現できても、高学年以上になると、何度聞いてもカタカナ発音しかならない場合も珍しくありません。何が言いたいかというと、英語には年齢ごとに適切な学習法があるという事です。これはSLA(第2言語習得)の研究でも最大公約数的に分かっていることであり、家庭でお子さんと英語を学んでいく際にも、お子さんの発達段階に合わせて、やり方を調整していくことはかかせません。

まず、人間はこの世に生まれ落ちると「聞く力」、リスニング力が発達します。生まれたての赤ちゃんは、目はまだ見えませんが、耳は全力をあげて働いています。リスニング力は8歳くらいまで勢いよく伸びていきます。この時期にたくさん英語の音に触れさせてあげてください。ちなみに我が家は、テレビは見せず、映像はすべてDVDやYOUTUBEで英語番組のみ見せていました。基本的に子供には(ある年齢に達するまで)決定権がありませんでしたが、それが我が家の「普通」なので、特に文句を言う事もなく、英語番組を楽しんでいました。その甲斐あってか、今は洋画などは日本語より英語の方がしっくりするようです。。

しかし、勢いよく伸びていくこのリスニング力も、永久に右肩上がりではなく、ある程度の時点から、カーブは緩やかになっていきます。一方、文字を読み取る力、リーディング力は、最初こそは緩やかに発達しますが、一定の段階から急上昇し、最終的には情報収集においてリスニング能力を超えていきます。6歳~8歳までの間にフォニックスの基礎を身に付け「読む」ためのベースを作り、8歳~10歳くらいから英語を英語で読める力を育てるためにも、レベルにあった英語をたくさん読む「多読」へと繋げていくことによって、「本物の英語力」が育っていく素地ができます。

小学校高学年くらいになると、抽象的な物事を理解する力が徐々についてきて、基本的なロジックを読み解いたり、自分の主張を表現したりできるようになってきます。大人の脳に近づいてくるこの時期、子供の論理的な思考力はぐんと伸びます。外国語習得について言えば、このあたりから母語による学習が効果を発揮してきます。多読や英会話教室などで、なんとなく喋れていたり読めていたりした英語が、文法というツールで整理できるようになると、より正確な英語表現を可能にします。特に母語能力が一定の完成を見る中学生くらいの時期に、文法などの論理的な学習はとても有効かと思います。ただし、文法はすでに内在するもの(インプットした英語)を整理したり、文をつくるためのツールなので、十分なインプット量があった時はとても効果的に力を発揮するかと思います。

アークアカデミーでは、こうした成長段階における特性を考慮し、益々楽しく効果的な英語学習がご提供できるよう、4月からのカリキュラム作りに取り組んでおりますので、楽しみにしていてくださいね!