「どうすれば英語ができるようになりますか?」

外国語を学ぶみなさんなら気になる質問かと思います。答えは「たくさん勉強する事です!」申し訳ありませんが、これに限ります。これしかありません・・

当たり前のようでも、日本の英語学習者に圧倒的に足りていないのは、量なのです。外国語学習を始めたばかりの人が確実に、効果的に力を伸ばすためには、量をこなす事、しかも猛烈な量をこなす事が肝腎なんです。最近はテクノロジーの発達で、良質で安価な教材がすぐ手に入ります。英語の音声だって、聞こうと思えばいつでもどこでも無料で聞く事ができます。でも「質」がよくても「量」をこなす事が出来なければ、「英語が使える」レベルには届きません。書店に並んでいるような「30日で英語がベラベラ」なんていうタイトルに惑わされてはいけません! アメリカの子供が発音だけで7年、文法は15年以上かけて習得するものを、日本にいる人が「30日でペラペラ」になるはずがありません。現実的な目標を持つことも大事です。では、「量」といっても、いったいどれだけの「量」を示しているかというと、一般的に英語が語感として身に付くためには、もちろん個人差はあると思いますが、2000時間は必要だと言われています。

世の中には根強い英語早期教育に対する反対意見がありますが、そもそも反対意見の多くはいわゆる「学者様」によるものが多く、もともと頭がいい人達なんですよね。頭がいい人は、我々凡人と違って、学習能力がずば抜けているのです。今の若い人達が可哀そうなくらい英語が使えない現状を考えると、やはり英語は頭の柔らかい早い時期から始めるのが絶対有利だと確信しています。特に、語学学習を論理的に学ぶのには最適な時期と言われている中学や高校時代は、部活やテストやらで長い人生の中でも異常に忙しい時期。結局、英語ばかりに時間を割くことができず、英語能力はそれほど伸びず・・・という現状(試験勉強中心の英語で、英語の実力が落ちるケースも珍しくありません)。中学校に入る前までに、量をこなし、英語の語感を身に付けることができれば、その後の英語学習が本当に楽になると思います。

では、どのような学習法が最も効果的なのでしょうか?

子供用の高価な英語教材?単語を詰め込むだけ詰め込んで語彙を増やす?文法ドリルを繰り返しやる?「聞いているだけで身に付く英語教材」?修行僧のように英文を音読し続ける?

いま上に挙げた方法は、すべて正解で、すべて不正解です。なぜなら何が効果的かは学習者一人一人によって違うからです。単語量が増えるとモチベーションが高まる人もいるし、たくさん音に触れた方が頭に入りやすい人もいます。つまり「効果的な学習法=学習者1人1人の適正に合致した学習法」なのです。当たり前のようでも、このへんを勘違いされている方は非常に多いです。私も多く子供達と接するうちに、やっとこの事実を実感するようになってきました。誰にでも対応できる英語学習のマニュアルなんてないのです。

では、どのように自分(お子さん)の適正にあった学習法を見つけ出す事ができるのでしょうか? 実はここが問題で、どんな方法が自分に合っているかは(例外をのぞき)ほとんどの場合そう簡単には分かりません。なので、英語初級者はどんな学習方法でもよいので、あまり悩まずになにかを1つ選んで、とりあえず徹底的に量をこなす事が重要です。たとえ自分に向いていない学習法を選んでしまったとしても、圧倒的な「量」の力は向き不向きを超えて一定の成果を保証してくれます。語学学習の初期段階に関しては、量の力で基礎体力を培ってから、自分の将来的な目的(研究、ビジネス、趣味、留学)に応じて学習方法をカスタマイズしていく、その時はじめて「質」が問われるようになってきます。

ちなみに言葉を覚える順番は、

①音を聞いて理解する

②音を真似する

③読んで理解する

④書く

この段階ごとに自分にあった勉強法を見つけ出し、「量」をこなしてみてください。語学学習においては、教材や方法論の質が問題になってくるのはある程度以上のレベルになってからだと思っていただければいいと思います。

英語学習に関しては、楽して短期間には結果が出る事はありませんが、結果が出れば本当に楽しいので、毎日コツコツとできる事をできる範囲で継続してみてください。毎日数分でも英語に触れている生徒さんの驚くべき進歩を見る度に、「継続は力なり」という言葉を実感しています。