小学生4年生以上になってくると、通塾という選択肢を考慮する生徒さんも多くなります。特に、中学受験を考えているお子さんにとっては塾が大きなウエイトを占めてくる時期かもしれません。高学年というと、最も英語学習に脂がのってくる時期(?)、その時期に退会される生徒さんを見送るのは、なんとも寂しい気持ちにもなります。特に「スピーキング」に関しては、喋らないとあっという間に喋れなくなり、数か月だけでも間が空いてしまうと滑らかに英語が出なくなります。目的に向かって選択を絞っていくのは当然の事なのではあるのですが、あんなに英語が発話できていたのに・・と残念に思う事も少なくありません。

そしてこの時期によく聞かれるのが、「塾の英語と英会話教室の英語はどう違うのですか」という質問です。同じ英語なのにゴールが違う、その違いが何なのかクリアにする事は大事ですよね。

一言で言うと、塾が勉強としての英語であるのに対し、私達が提供したいと考えているのは言語としての英語かなと思っています。

日本人が英語が苦手とされる最大の原因は 【英語を勉強だと思っている】・【資格試験、大学入試をクリアするだけのもの】という点が大きいのではないかなぁと私は感じています。「受験英語が使えない」とよく言われるのも英語が結局勉強で終わってしまっているからではないでしょうか?

具体的には、塾では英語の問題の解き方、点数に繋がる技術を学ぶ事ができます。ただ、どうしても日本語ががっつりと介入してくるので、翻訳英語にならざるを得ない側面はあると思いますし、テストの点に繋がらない「発音」や「スピーキング」に関しては手薄のように思います。リーディングに関しても、「文章を読む」事より「問題の解き方」にフォーカスされているように思います。言語習得のステップとして、Listening → speaking → reading → writing というスパイラル式に言語習得が進んでいくと思うのですが、基礎の基礎であるべきlistening とspeaking に関しては、英語に特化した塾でない限りカバーできていないのが現状のようです。

一方「言語としての英語」の場合は、英語を英語で理解できる「英語脳」を育てる事を目標にしています。小手先のテクニックではなく、まずはたくさん「読む・聴く・話す・書く」環境を、「楽しい」をベースに提供し、英語がわかる!だから楽しい、だから英語が好き、というポジティブな経験を楽しんでもらう事をとても大事にしています。ヒアリングやスピーキングの力がつくと、それらはライティングやリーディングの実力にも反映されてきます。綴りや読み、ヒアリングや発音の土台ともなるフォニックスに力を入れる事ができるのも、英会話教室の強みかと思います。

また、当教室では多読・多聴を鬼のように(笑)勧めているのは、教科としての英語ではなく、言語としての英語を身に着けてほしいからです。当教室でも、小学生で2級や準2級に合格した生徒さんもいらっしゃいますが、それらの生徒さんは例外なく多読・多聴に取り組まれてきました。言語として英語を身に着けている過程(多読・多聴)で、試しに英検を受けてみたら意外に簡単だった、という感想をいただいています。

同じ英語でもゴールが違います。当面のテストや試験のために短期間のうちに結果を出したかったら、塾がもっているノウハウに頼るのも一つの選択肢ですし、結果が出るまでに時間はかかるけれど、試験だけではなく、使える英語に繋げていきたいと考えるなら、私達は精一杯サポートさせていただきたいと思っています。

塾・英会話教室・独学・どれも長短の側面があるので、目的に合わせて、学習スタイルを選択してみてくださいね!