先週末、「英語教育ユニバーサルデザイン研究学会」の代表者でもある村上加代子先生によるワークショップに参加しました。学び多き2時間半でした。

最近、中学英語、しかも1年生で英語に躓いてしまうお子さんが多く、英語嫌いが増えている事に大きな問題意識を感じています。躓きの大きな原因の一つが綴り。音と綴りの関連性を学ばないと暗記に頼るしかありません。暗記が得意なお子さんにとっては、なんとか点数に繋げる事ができても、正しく綴る事が苦手なお子さんにとっては、中学のテストは壊滅的です・・・我が家の長男は、ヒアリング力やスピーキング力は私よりずっと上だし、多読に取り組ませていたため、読みもなんとかできています。でも綴れないのです・・・ローマ字に汚染されているな~と思う事もありましたが、暗記したり覚えたりする事がとても苦手なんです。漢字もひどかった・・(泣)。「たくさんドリルすれば覚えるよ」では無理なんです。中学校はハイブリッドインターで学習する事ができ、なんとか惨事(?)を回避できましたが、普通の中学校に行ったらきっと自信喪失していただろうなと思います。

英語は実はとても複雑な言語です。日本語(ひらがな・かたかな)のように字と音が一致しないので、規則性を学ばなければ正しく発音できません(といっても規則性からはみ出した単語や文法もたくさんあります)。英語圏では、幼稚園から4年生くらいまで、みっちりとこの規則性や読み方・書き方を学びます。約6年かけて綴りや発音のルールを学び、その後に長文読解といったような高度な技術に移行していきます。一方日本では、この音と綴りのルール、英語を学習するうえでの基本の基本が、ぽっかり抜けたまま、中学でいきなり複雑な単語の綴りや、英語の文章を「正しく書く」事が求められています。泳ぎ方をちゃんと習得しないまま海に投げ出される、そんなイメージです。読み書きができないので、その後の文法や英文読解に繋げていくことが非常に難しいのです。

今回の村上先生のワークショップでは、英語授業での躓きとその背景、音韻認識やディコーディングの指導法などを、様々な研究結果や村上先生の実践経験をもとに講義していただきました。暗記中心の学習ではなく、単語を読むための前提条件となる「音」や「文字」について学び、文字の音声化ルールを適応することができれば躓きを回避することができることを改めて確信しました。

英語が使えるって本当に楽しいんです!!世界への扉を開くと同時に、新たな自分の可能性や気づいていなかった特性を発見したり、固定観念から解放されたりと英語がもたらす恩恵を挙げだしたらきりがありません。そうした可能性を潰してはいけないし、語学学習の黄金期といわれる中学生3年間が実りあるものとなるよう、具体的に応援したいと心新たにさせられました。