じめじめした季節ですが、世界はワールドカップで盛り上がっているようですね。

私達はテレビがないのであまりピンとこないのですが、カナダに住んでいた時はワールドカップ開催中、周りがとにかくお祭り騒ぎで、サッカーに特に興味がなくても、なんとなく一緒にパーティーにでも参加している気持ちになっていました。移民の国だけあり、職場では約20カ国から30カ国の人々と共に働くことができる環境だったのですが、ワールドカップ中はそれぞれの愛国心(愛大陸心)が結構露骨に出て、ちょっと張り詰めた空気だったのを思い出します。

さて開催国の南アフリカなのですが、この国はかなりやばい国です!特にヨハネスブルグは戦時下の国をのぞいて、世界でもっとも危険な街の1つだと思います。ワールドカップの開催国と決まった時はちょっとびっくりしてしまいました。

南アフリカの治安が劇的に悪化したのは、皮肉にも人種隔離政策アパルトへイトが撤廃されてからのようです。確かにアパルトへイト時代のような黒人に対する奴隷的な扱いはなくなり、黒人の多くは自由を手にしましたが、それはイコール白人と同様の厳しい競争社会に放り出されることを意味しました。

アパルトへイト時代なら奴隷的な扱いを受けたが、まがいなりにもメイド等の働き口はあったのですが、それが今では競争に敗れて職に就けなかった黒人失業者が国中に溢れ、彼等は生きてゆくために命がけで犯罪に走ってしまうのです。殺人に限っては日本の約110倍、1日の強盗発生数は約350件。ちょっと想像もつきません。

私が学生だった頃、南アフリカで総人種参加の総選挙が実施されアフリカ民族会議(ANC)が勝利。ネルソンマンデラ議長が大統領に就任し、南アフリカの新しい歩みに世界が注目したのだけれど・・・しかしその当時もすでに治安はかなり悪かったのを覚えています。隣の国のジンバブエで滞在していたのですが、南アフリカを旅したほとんどの旅行者がなんらかの被害にあっており、その被害の度合いを自慢しあっていたのを覚えています。その当時、ジンバブエはアフリカの中でも比較的安全な国だったのですが、現在は南アフリカ同様治安が急激に悪くなっていると聞きました。

南アフリカ共和国は気候も温暖で、すばらしい自然にめぐまれた美しい国です。それだけに、現在の治安や政治の状況を聞く度、胸が痛みます。

あまりサッカーには興味がないものの、秘かにアフリカのチームを応援しています。めったに光をあびない大陸だけに、せめてこうしたスポーツを通して、少しでも国に希望をもたらすきっかけになったらいいのになーと思っています。