先週の週末、最近けやき台の方に引っ越してこられたMファミリーのお宅にお邪魔しました。Mファミリーはアメリカからの宣教師。日本人の奥さんと、可愛い二人のお子さんがいらっしゃいます。

このM氏、クリストファーが車の試験に落ちてしまったというニュースを聞いた翌日約午前7時、特製のスマトラ豆で作ったコーヒーを持って駆けつけてくれました。根っからのコーヒー好きで、コーヒーを入れるのも、生のコーヒー豆を炒ることから始めるそうです。

さて、この特製スマトラ豆のコーヒー、一口飲んだら忘れられない危険なお味。その日以来、クリストファーはまるでマントラを唱えているかのように、このコーヒーについてつぶやきはじめました。Mさんのお宅にお邪魔した時はまるでコーヒーにとりつかれたようにキッチンに直行・・・M氏が豆をローストしている傍ら、そのアロマに酔っていました。

こうしてコーヒー豆がローストされていく匂いを嗅いでいると、エチオピアのブンナセレモニーを思い出しました。ブンナとは現地の言葉でコーヒーという意味で、エチオピアではコーヒーを入れて客人を歓待します。日本の茶道のように、深く文化に根ざした儀式です。実はコーヒーの発祥地はエチオピアだともいわれています。Coffeeの名前の由来はエチオピア南部の町kaffa からだとも聞きました。

エチオピア滞在中、よく現地の方のおうちに招待され、このブンナセレモニーを体験したものです。セレモニーは火を起こし、豆を炒ることから始まります。この時、香りのいいお香も一緒にたかれ、室内は煙でかすみます。約2時間後にやっとコーヒーを口にすることができるのですが、待っている間はいろんな会話で話がはずみます。(といってもエチオピア語の公用語アムハリックはカタコトしか話せなかったので、身振り手振りで必死だったのですが)コーヒーの匂いを嗅ぎながら、ゆっくりした時間の流れを楽しんだものです。コーヒーを飲むという行為だけではなく、それにいたるまでの経緯すべてに客人を精一杯もてなしたいという心を感じる事ができました。

M氏のお宅にお邪魔してから約1時間半後にコーヒーができあがりました。忙しくバタバタしている毎日、こうしてコーヒーを飲みながら、ゆっくりした時をよい友と過ごすのは、なんと贅沢な幸せだろうとしみじみ感じたひと時でした。心をこめて入れてくださったコーヒーにハートまで満たされました。