中学生以降から英語を始めた皆さんの中には、

リスニング大っ嫌い!

という方は多いのではないでしょうか? 私もず~とリスニングが大の苦手でした。リスニング中に思考が停止するし、頭の中で和訳が止まらないし、知っている単語に意識が全部集中してしまい、内容が一瞬で吹き飛ぶし、分からない単語が出てくると、もう頭の中がパニック状態。私って耳が悪いのかしら??と落ち込んでしまう事もしばしば。外国人の方とおしゃべりをしていても、聞き取れないので会話についていけず、愛想笑いをしながら心の中では話を振られはしないかと冷や冷や・・・(笑) リスニングに関してはとにかく「量」が重要で、習得までに時間がかかります。でも近道もなくはありません。それがシャドウイング。特に中学以降の英語学習ではシャドウイングはとても効果的です。

シャドウイングとは、流れる音声に続けて少し遅れて音読をするという非常にシンプルなトレーニングです。これはもともと通訳者の間で行われていた学習法で、この学習法一つで、速読力、読解力、語彙力、リスニング力、発音向上、そして会話力という多岐にわたる能力を高められるといわれており、その中でもリスニング力への貢献が半端じゃありません!

ただし、中学以降の学習も、基軸になるのは「音」です。シャドウイングを始める前にはフォニックスを徹底的にやる事が、聞き取りの近道となります。

中学生の皆さん(もちろん高校生や成人にも)にお勧めする教材は、英文テキストと音声教材が一緒になったもの。安河内哲也先生の『大学入試 英語長文ハイパートレーニングレベル1』は初めてシャドウイングをするときにお勧めの教材として有名です。大学入試用の教材ではありますが、英語力そのものを鍛える目的にも役だちますし、よく分からないテキストをよく分からないまま大量に聞く・読むという習慣の効果は、高校生で一気に開花します!シャドウイングをする際、特に中学生から英語を始める場合、次の6つのプロセスを意識してみてください。

①自然なスピードの英文を聴きながら英文を指でなぞる。意味がわからなくても気にしない。

②テキストの英文を見ながら音声を再生し、ポーズの所で止めて英文を声に出して繰り返す。

③解説を読む。英語を英語のまま理解する事が目的なので、日本語訳を考える必要はありませんが、「だいたいこういう事が書いてある」という事がイメージできると、理解度がアップします。

④「かぶせ読み(オーバーラッピング)」をする。英文を見ながら音声と同じ速度で同時に音読します。リズムやイントネーションを意識しましょう。

⑤シャドウイング テキストを見ずに聞こえた音声とほぼ同時に復唱する。

最終的には音声と全く同じように読む、完璧を目指すという事を意識しながら練習を続けていくと効果は絶大です。

英語のシャドウイングはいわば、「英語脳矯正手術」、返り読みの癖が骨の髄まで染み込んでいても、強制的に英語の語順で理解せざる負えない状況を作り出すので、リスニング力と共に、速読力が伸びます。

このシャドウイングの練習1日30分~1時間をとりあえず1年間続けてみて下さい。リスニング力だけではなく、会話力も格段に伸びているはず。

英語学習に関しては、「続けた者が勝ち!」それが実感できると思いますよ。

下記のビデオはリスニングの構造とシャドウイングの方法が分かりやすく解説されています。ぜひ参考にしてみて下さい。