中学校の新学習指導要領、英語に関しては、自分で考え話す力がより求められるようになるそうです。それに伴い、学習する英単語は1200語から1600~1800語に増え、これまでは高等学校で習っていた現在完了進行形、仮定法などの文法も中学校の教育内容になりました。長らく「仮定法を教えずに、どうやって英語の授業をやるのか?」と諸外国の識者から批判され続けてきた日本の英語教育ですが、これに関してはちょっと前向きな改正なのではないかなとも思います。ただ、文法はあくまで知識にすぎず、それが自然に使いこなせるようになるには、たくさん読む・たくさん話す・たくさん失敗するという過程が絶対に必要になってきます。

文法偏重教育と、日本の英語教育は長らく汚名を着せられてきましたが(涙)、正しい文法だからといって、それが伝わる英語とは限らない、という事実は体験を通して実感しています。コミュニケーションにおいて大切な事は、文法の正しさや、正確な発音以上に、目の前にいる相手と関係を築いていきたいという真髄な姿勢だと思います。あなたと話している外国人は、あなたが仮定法が上手に使えているかどうかより、「自分の目をみて、大きな声ではっきりしゃべろうと努力している」という心の姿勢を見ています。RやLがきちんと区別できているかなんていう事は、声の明瞭さや声量の豊かさに比べれば、枝葉のことに過ぎないようにも思います。

人と会話をする事ができない自閉症の作家、東田直樹さんは、その著書の中で、「話が出来ず不便だったり、大変だったりすれば、どうしたら少しでも言葉が伝わるか、自分でも工夫し、何とかしようとするはずです。これは報われるためではなく、生きる為の努力なのです。与えられた運命に立ち向かう事ができるのなら、自分をもっと好きになるのではないでしょうか」と記されていました。

自分は語学を学んで何がしたいのだろう、と楽しく自問する日々であります。

アークアカデミー通信5月号ができております。

下記のアイコンをクリックし、ダウンロードをしてご覧ください。

アークアカデミー通信5月号