英語の「多読・多聴」の伝道師と自称するほど、この学習の効果の高さを謳い続けて早数年。私自身、多読・多聴の学習法と出会い、英語を英語のまま理解する能力がぐんぐん伸び始め、今までの英語の勉強って何だったんだろう??と目から鱗が落ちる思いでした。

しかしながら、効果の高さに関わらず、この学習法は人気がありません(涙)。多読・多聴の効果を実証するデータも溢れているし、良質な多読・多聴の教材も溢れているのに、実践している人はまだまだ少数派です。多分その理由は、「時間がかかる」からかなとも思います。

受験英語の弊害とも言えるかと思いますが、英語学習も「結果」をすぐに可視化できるメソッドがもてはやされているようにも思います。試験のスコアであったり、学校のテストの結果であったり、分かりやすいといえば分かりやすいですが、語学の習得は理屈を理解できているがどうかではなく、どれだけ自動化されて反射神経に変わっているかがポイントになります。この反射神経は「長期記憶」にないと発動できないのです。テストのスコアが良くても、しゃべれない人は珍しくありません。

記憶は大きく分けて2種類に分かれます

1 短期記憶

2 長期記憶

短期記憶というのは、言葉の通り短期間しか覚えておくことのできないこと。例えば、電話番号などの数を一時的に覚えて写したり、入力するようなケース。時間にして秒単位〜数分程度と言われています。つまり短期記憶は、必要な時に必要なものを短い間、保持するという記憶です。試験前の一夜漬けは、この短期記憶になります。一方、長期記憶とは、長く保たれる記憶のことで、数時間〜数十年、一生涯保持される記憶も長期記憶となります。またこの長期記憶は「容量に制限がない」とも言われています。

「使える英語」というのは、英語という情報・データ(短文やフレーズ、パラグラフ)が「長期記憶」にないと発動できないのです。

じゃ、どうすればそのデータを「短期記憶」から「長期記憶」に移行できるのでしょうか?

簡単に言ってしまえば、「繰り返すこと」これに尽きます。「反復・スパイラル学習」です。「エビングハウスの忘却曲線」を聞いた事がある方も多いかもしれませんが、人間の脳は忘れるようにできてきます。ですので、「覚える」→「忘れる」→「思い出す」→「覚える」という復習のサイクルをする事で、記憶の定着率を高めていくのです。でも単語帳をひたすら読んだり、参考書を使い回したりしても、記憶って定着しませんよね・・なぜかというと、単語やフレーズは、文脈の中でイメージとして掴んでいく事によって、それらの自然な使い方が身に付くし、まず単語帳を修行僧のように唱えていても面白くないので、長続きしないんですよね・・

多読・多聴で大量の自然な英語に触れることで「こういう時にはこう言う」「その表現はなんかヘンだ」というのが経験的に分かってきます。これが語感といわれるものです。そして、英語回路が作られていくので、英語を英語で理解できる脳が育っていき、テスト勉強に特化しなくても、知らない間にスコアアップに繋がっていきます。急がば回れといいますが、結局は効果的・効率的に英語の実力を伸ばす事ができると思います。

当教室で開講中のクラス「英語で多読クラブ」は、多読や多聴を通してインプット量を増やす事を目的にしたクラスで、授業ではリサーチ、プレゼンテーション、show and tell等、英語の運用能力を高める活動が進められています。インプット量が多い子供達からは英語が溢れ出てきています!多読クラブに興味がある方、ぜひご連絡ください。また、英語の多読にチャレンジされたい方は、当教室で提供させていただいている「Razkids」をお勧めいたします。