外検入試を実施する大学が増え、大学受験で英検2級が優遇される国公立大学も年々増えています。そんな傾向が後押しし、小学生のうちから英検に興味を持つ生徒さんや保護者様も多く、英検についての質問をよく受けるようになりました。

英検の効果的な勉強法でも力を発揮するのが英語の「多読」です。アークアカデミーのような小さな英会話教室でも、小学生のうちに2級を習得する生徒さんや、中学校で準一級を習得された生徒さんも何人かいらっしゃるのですが、皆さんに共通するのは、「よく読んで、よく聞いている」こと。すなわちインプット量が多いという事です。特にある年齢からは「読む」事が、「聴く」事以上に情報定着に力を発揮してくるようです。

英語を忘れないお子さんに共通している事は、文字が定着しているという事です。それは英会話教室に通われている生徒さんに限らず、帰国子女でも同じ事がいえます。幼稚園児くらいで帰国した場合は、帰国当初は大人顔負けの流暢な英語でしゃべっていても、あっという間に英語を忘れてしまいます。でも高校生くらいで帰国した子どもは、長期にわたり英語力が維持されています。文字が定着していればしているほど、英語力を維持できるようです。

英検に話を戻しますが、英検はまずはフォニックスをきちんと学んでいる事が前提です。英語が読めないと歯が立ちません。英検5級~4級くらいなら、当教室で使っているテキストブック(コースブック2~3)を徹底的に使いこなしてもらえれば、基本的な英語力も養なわると同時に英検対策にもつながります。テスト前に過去問を解いて、テストの傾向に慣れておきましょう。

私達の親の世代が中学生の時に勉強していた感覚では、①文法を習って英語のルールを理解、②問題演習、という段取りを考えますが、小学生以下の場合、フォニックスの基礎があれば、いきなり過去問をみせても大丈夫です。そもそも文法を説明しても理解できません(すでに英語を学習してきた高学年のお子さんには文法導入のよい時期ではありますが)。

3級を目指す生徒さんはコースブック3~4をたくさん音読し、宿題の44フレーズを書ける・読める状態にしておくこと。そしてテスト前に過去問で傾向や語彙に慣れておけば、いろんな教材に手を付けて広く浅く勉強するより効果的です。

準2級以上を目指す生徒さんは、多読をお勧めします。多読を始めるタイミングは、フォニックスとサイトワードの基礎がある事。多読で英検準1級を小学生で習得したお子さんもいらっしゃったのですが、彼らに共通している点は、

①自分にとっては簡単な本を

②ハイスピードで

③大量に

読んでいる事です。簡単なレベルというと、3級から準2級程度の本で、英語ネイティブ6歳~7歳くらいの子供が読む本です。内容を正確に読めているかどうかは気にせず、「簡単」な本を「速く」、そして「大量」に読む、これはいちいち日英変換せず、英語を英語のままで理解する“英語脳”作りの筋トレなのです。英語脳を育成することによって、英検のみならず、使える英語が身に付きます。

親の世代の勉強方は全く逆で、

①自分の現在の力より難しいものを

②ゆっくりでもいいから

③2~3行づつ、正確に訳す

いわゆる精読と言われるものですが、精読が力を発揮するのは英語上級者。英語初級~中級はまずは多読で英語脳を育成する必要があるのです。また、良質な英語にたくさん触れているので、ライティングのトレーニングも、短期間で済みます。日本語→英語の翻訳ライティングでは、いつまでたっても英語らしい文は書けません。

ちゃんと本が読めるお子さんは、聞けるし、話せるし、書ける。中学生のうちに英検準1級~1級を目指したいと思うのなら、早いうちに読む練習をしておくことを強くお勧めします。塾での学習のように、すぐに「テストの点」には反映さえませんが、3年間あれば必ず成果として実感できるし、使える英語に繋がっていきます。英語脳が育てれば、その後の伸びは早いです。まずはアウトプット20%、インプット(読む・聞く)80%の割合で学習をすすめてみましょう